2019年11月1日に新しいボイスロイド「VOICEROID2 ついなちゃん」がついに発売開始となります。
・ついなちゃん(パッケージ版) 通常版 価格:¥13,980+税
・ついなちゃん(パッケージ版) AHSユーザー特別版 価格:¥11,980+税
・ついなちゃん(ダウンロード版) 価格:¥9,980+税
『VOICEROID2 ついなちゃん』は、声優「門脇舞以」の声を元に制作した文字読み上げソフト。クラウドファンディングで見事ボイスロイドの開発が決定。いよいよ発売となる。新しいボイスロイドが出てくるのは動画投稿者としても喜ばしい。ただ実際に発売された後に、どの程度普及するか心配なところもある。クラウドファンディングに参加した人には、もちろんソフトウェアは提供される。それとは別に購入する人もきっといるでしょう。ただ、実際にこのボイスロイドと音声が使われる動画が普及するか、懸念とされる点があります。
「ついなちゃんとは何ぞや?」
そもそも「ついなちゃん」って何者なのか。元は日本鬼子の作品群に登場するサブキャラ。修験道の開祖「役小角」の子孫、「役追儺(えんのついな)」。本名は「如月ついな」。役小角ゆかりの吉祥草寺の公認キャラで、他の神社ともコラボしています。
また2016年からクリエイター支援プラットフォームFantiaで、ボイスドラマを配信。色々な方向で活動しています。キャラの出自としては、地域活性化、広報等をを目的とした東北姉妹、京町セイカと似ています。
違う点は、追儺式といった日本の伝統文化を世に広める、といったより特定の分野に絞っている点。東北家と同じくクラウドファンディングで、開発資金を集めボイスロイド化が決定。最終的に目標金額の3倍近い支援金を集め、追加設定されたゴールである関西弁まで実装されるとのこと。
公式サイトはあるものの、こちらは活動報告がメインの様子。ついなちゃん自身の設定や主なコンテンツは、「うちのこまとめ」のサイトから見ると一番わかりやすいかと思います。
■ついなちゃん 公式サイト
■うちのこまとめ
■原作:大辺璃紗季さん pixivサイト
■ファンティア 【鬼っ子ハンターついなちゃん】プロジェクト!サイト
関西弁キャラ的に琴葉茜と、活動地域として京町セイカと被りそう。でも、関西勢でまとめて動画に使うというのも、ありそうです。
ボイスロイドなどのニコニコ動画、タグ登録件数
ここで、ついなちゃんが参戦するボイスロイド界の状況をニコニコ動画のタグから、ざっくり俯瞰してみようと思います。
ボイスロイドの利用目的は、ほぼ動画といってよいでしょう。ゲーム実況、車載、ラジオ、劇場。最近は料理やお酒、釣り動画にも使われ始め、ボイスロイド動画のバリエーション自体は増えてきています。ただし、新しいボイスロイドが入る余地があるかは、別の問題。例えば、ニコニコ動画におけるゲーム実況、車載動画カテゴリにおける、各ボイスロイドが登録されている件数を見てみると、下記の数字になります。
[VOICEROID EX、VOICEROID 2] 2019/10/9時点
■ゲーム実況プレイタグ
■車載タグ
あくまでニコニコ動画で該当するタグが登録されている件数。タグが未登録だったり、1つの動画に複数ボイスロイドのタグが登録されるケースもあり、実際の動画の数とは一致しない前提の数字です。Youtubeは、対象となる動画数を調べる方法がわからないので、ニコニコのみでの比較となっています。あくまで目安程度ではありますが、結月ゆかりがゲーム実況タグの3割ほど、車載タグの場合、半分近い割合を占めています。ボイスロイドと言えば「結月ゆかり」な、状態。
先に発売されているボイスロイドの方が、立ち絵など動画に使用できる素材も多い。動画を作ろうと思った時に、結月ゆかりを選択する可能性が高くなる。この辺りは、先行者としての大きなメリット。ちなみボイスロイド以外のテキスト読み上げソフトのタグ登録件数は以下の通り。
・2019/10/9時点
※1 ONE、IAは単独の車載用タグがないため、こちらに含まれると思われます
ボイスロイドと比べると、数としてはかなり少ない。 このあたりも素材の多寡が影響しているのだろうか。キャラごとの素材数がもう少しバランスよくなれば、現状数が少ないキャラの動画も増える、ということも考えられます。とはいえ、立ち絵は絵師の方の厚意で提供されており、投稿者サイドが増やしてほしくても、作ってもらうのはなかなか難しい。立ち絵は差分含めると、かなりの数を描く必要があり、とても大変ですし。
特にニコニコ動画内だとボイスロイドなどテキスト読み上げソフトは、飽和状態に近い。これ以上キャラが増えても、すぐに浸透していくか疑問である。よほどひきのあるキャラクターじゃないと、シェアを伸ばすのは難しい。
ついなちゃん動画を編集、投稿するにあたっての懸念
ボイスロイドなどのキャラは、あえて細かい設定を設けていません。性格や背景が細かすぎる、逆に編集の自由度が狭まってしまうケースもあります。自分はこういう喋り方、性格で動画に登場させたい。そう考えていても既存の設定にそぐわない場合、公式設定と齟齬が出たり、反感を買う可能性もなくはありません。
逆に公式の設定を動画内に活かすこともできます。神社とゆかりのあるキャラなので、旅行系の動画だと、自然に絡ませやすい。自分の場合は、投稿するのがバイクツーリングの車載動画、旅行動画で、神社などを訪れる機会も多い。だから登場させられなくもない……かな。(買うといってるわけではない)
他にある問題と言えば、現時点では立ち絵の種類がかなり少ない点。検索をかけて見つかったのは、2~3種類くらいのようでした。実況や車載動画普及の為に、もう少し種類が増えないと厳しい。今後もっと増える可能性はありますが……。
まとめ
VOICEROIDとして販売されることがゴールではなく、VOICEROIDを使ったコンテンツが制作されること。それらが普及、拡散し、ボイスロイドを通じて元のコンテンツも認知される。そうして本来の目的を達成することになります。
ついなちゃんも神社仏閣・街おこし、追儺式復興・アニメ化など様々なな目的があることですし。ぜひ頑張ってほしいところです。私も使いたい欲はあるのですが、正直これ以上ボイスロイドを購入しても、十分使いきれない。
「戦いは数だよ兄貴!」とは誰のセリフだったか。ボイスロイドの勢いは、動画投稿数に比例するとも言えます。興味ある方はぜひ、購入してどんどん動画を投稿してもらいたい。