先週土曜日。ようやく北海道車載動画の1本目を投稿できました。結果、動画の再生数、初動はかなりよいものとなりました。動画タイトルやサムネイルの影響もあるので、それだけが要因ではないにしろ、一番影響を与えたものは、動画全体のテンポだと考えています。
【VOICEROID車載】無職になったのでゼルビスで北海道行ってくる! - 1 -
北海道シリーズを投稿するにあたり、編集方法を変えました。なぜかというと、北海道ツーリングは日数が長く、撮影素材がかつてないほど膨大であること。今までと同じ手順だと、完了までに20本近い本数が必要。仮に1か月1本程度の投稿頻度だと、シリーズ完結まで1年半以上かかる。さすがにそれはまずい。その為、シーンの展開、ボイスロイドの話速など。既存のシリーズに比べ、かなりテンポを速めました。
本数圧縮のため、1本で、2、3日分の行程を消化する必要があります。今までは、いきなり撮影素材を動画編集ソフトに読み込んで、すべてタイムラインに並べる。それから見せたい絵を選んで、不要なシーンを削除。起承転結、パートの内容に応じて、順番を並べ替える。北海道編を同じ流れで編集すると、タイムラインが大変なことになります。
ということで、北海道編の1本目は、以下の手順で編集。
- 動画の構成を考える
- 台本を作成する
- セリフ量に応じたパート調整をする
- 演出部分のエフェクト、イラストなどを用意する
- BGM・SEを用意する
- 動画編集ソフトで編集を開始する
- 今までのシリーズとの変更点
- まとめ
動画の構成を考える
今まではいきなり撮影素材を動画編集ソフトに読み込んで、編集を始めていました。だがそれではだめとういことで。事前にどういうシーンを使って、どんな絵を作るか。構成からきちんと考えることから始めます。
動画全体を「起、承、転、結、OP、ED、コメント返し」のパートに分ける。そして、パートごとに、どの素材を使うか。どういった流れにするか。大まかにまとめる。起承転結パートは、それぞれ2~3分。理由としては、1つのパートが長すぎると、動画視聴者が飽きる可能性があります。一定の間隔でシーンを大きく変えた方が、視聴する側の飽きが来ないかな、と。コメント返しパートは、最大3分くらい。コメント量によって変動させる予定。
構成を考えるにあたり、googleスプレッドシートを使用。メモ帳などテキストエディタを使ってもいいと思います。
きちんとした?書き方がよくわからないので、箇条書き。パートの役割ごとに、取り扱うシーンをピックアップ。かつパートごとに、シーンの数が偏らないように割り振る。ちなみに上記のシートにアイキャッチが入ってますが、北海道シリーズでは入れていません。代わりに、パートの切り替え箇所に、別のインターバルを入れています。
台本を作成する
台本もgoogleスプレッドシートを使って書いてます。構成にそって、動画で投稿主とボイスロイドのセリフを、書き起こします。上記の画像は、実際に私が作成したもの。わかりづらいですが、C列「あ」が「投稿主」、「Y」が「ゆかり」のセリフ。
1度に画面に表示するテキスト量は、シートの1~2行分。あくまで目安ですが、1行で再生時間3秒換算。1パート2~3分に収まるようにテキスト量を調整。動画編集ソフトを立ち上げる前に、ここでセリフを詰めていきます。
またセリフと一緒に、エフェクトなど、演出有無。パートやシーンで流すSE、BGMの候補をメモしておき、最終的に動画編集ソフトで組み合わせます。
セリフ量に応じたパート調整をする
北海道編1では、セリフの分量が予定より少し多くなってしまいました。最終的に以下のようにパート分けしました。
- 起 : 状況、行き先説明
- 承 : フェリー乗船準備
- インターバル1
- 転1 : フェリー乗船
- インターバル2
- 転2 : フェリー下船
- インターバル3
- 結 : 札幌到着
- コメント返し
- エンディング
- オープニング
オープニングが最後になっているのは、シリーズ初回で、早々に本編に入りたかったためです。動画冒頭20秒くらいが、最初の勝負。ということで、視聴者に興味を持ってもらうため、長めのオープニングは最後に回しました。動画内でゆかりさんが、最初からテンション高いのも、動画に勢い持たせるため。
演出部分のエフェクト、イラストなどを用意する
各シーンで使いたいエフェクトやイラストは、事前に用意します。ニコニコ動画なら、ニコニコモンズで様々な素材がダウンロード可能、他にも無料で配布している素材サイトも数多く存在します。
ニコニコモンズ
ニコニコ動画なら、ニコニコモンズの素材ライブラリ利用しやすいでしょう。素材によってニコニコ以外のサイトでも使用できるものもあります。素材ごとに利用条件が違うので、必ず確認するようにしてください。
f-stock
電撃でうたれ、焼け焦げて煙が出ているシーンがほしい。そこで煙を出すエフェクトを探して、使うことにしました。あちこち探した結果、上記サイトにたどり着きました。また使いそうな素材があるなら、必ずブックマークしておいた方がいいですね。
自作
After effects 北海道内ルートマップ
以前から地図の上を矢印がにゅるっと伸びて、ルート案内する演出をしたいと考えていました。ただ、自分がイメージする動きを再現する為に、複数のサイトで調べながらの作業に。時間がたつと、やり方を忘れそうなので、手順をまとめて、動画化する予定です。
ちなみに使用した地図の画像は下記サイトからダウンロードしました。
After effects 電撃をまとう結月ゆかり
電撃を操るようになった、ゆかりさん。
— zomu memo (@zomuzomu) 2019年10月11日
……いい加減、動画本編にとりかからないといけないのはわかってるんだけど。 pic.twitter.com/QkzAVqp922
以前twitterに流したやつです。YoutubeにAftereffectsでの電撃の作り方、チュートリアルがあるので、そのまま使わせてもらっています。
アニメっぽい電撃エフェクトの作り方【After Effects チュートリアル】 - YouTube
シリーズオープニング
オープニングは、自分で作ったものと、ダウンロード素材の組み合わせです。本当はゼロベースから、作れるのと一番良いのだけど。それだけのスキルが自分にありません。とりあえずは、テンプレートをもとに、修正をかけていくつもりです。
主立ち絵
今回、投稿主にもイメージを付けるにあたり、最初はフリー素材を使う形を考えていました。かなり昔に書いた落書きを思い出しまし、必要に応じて、表情を書き足すこともできるし、再利用することに。絵心はありませんが、これくらいなら、まあなんとか。
通称「魂ちゃん」
一体これはなにかというと、魂的な何かです。いやなんでだよって思いますが。まあ特に深い意味はありません。
BGM・SEを用意する
BGMやSEに関しては、有料サイト、無料サイトが存在します。ニコニココモンズは、当然無料です。イラストと同じく、利用条件の確認は必要となります。
有料サイトだと、1曲ダウンロードごとに支払いが必要なもの。月額、年額支払うとダウンロードし放題など様々。私が使っているのは海外のサービス「Storyblocks audio」年額約16,000円でBGM、SEがダウンロードし放題。商用利用可。現在、動画に使うほとんどのBGM。SEを一部で利用していいます。
さすがにお金を払ってまで、とも思います。まずは無料で利用できるBGMやSEを配布している、下記サイトをチェックしてみてはいかがでしょう。配布サイトの紹介は、検索すると、たくさんできてきます。「無料 BGM おすすめ」などで検索するとよろしいかと。
メジャーなサイトは、いろいろな動画で素材が利用されているので、聞いたことがあるものも多いはず。
動画編集ソフトで編集を開始する
動画作るためのパーツが出そろったところで、動画編集に着手。以下説明は、Adobe premiere pro及びadobe関連ソフトを使うことを前提としています。
1.映像、画像、エフェクトなどを配置
最初に事前に用意した台本に沿って、音声以外の部分の編集作業を行います。
(1)パート別のシーケンスを作成。以下、各シーケンスごとに下記作業を実行
シーケンスとは、本でいう章にあたるもの。シーケンスごとにビデオ、オーディオのファイルを編集。最終的に1つにまとめ、1本の動画にします。
今までは1つのシーケンスで、10分~20分の動画を編集、完結させていました。これをパートごとに、別々のシーケンスに分けることで、パートの順番も簡単に変更できます。adobe premiere 使い始めて、3年くらい経つのに、なんと非効率でミスしやすいやり方していたことか。
(2)構成、台本に沿って映像、画像ファイルを配置
(3)台本に沿って、字幕を作成
(4)立ち絵を配置
(5)エフェクトやBGM、SEファイルを配置
(6)シーン切り替えのトランジションを設定
2.ボイスロイドで音声ファイルを作成
いよいよボイスロイドを使って、音声ファイルを作成します。動画編集的に一番しんどい作業。100個以上のフレーズを調声、出力することになります。
(1)台本に沿って、音声ファイルを作成(仮調声)
1フレーズ、1~2分程度で調声していきます。納得いかない箇所は、後で再調声。エコーなどエフェクトをかける場合はボイスロイドで作成した音声ファイルを、adobe auditionで加工。
(2)音声ファイルを動画編集ソフトの対応する字幕部分に配置
(3)音声再生時間、字幕表示時間の調整
音声ファイルの配置まで完了すると、下記画像のようなタイムラインが構成されるます。
3.パート別シーケンスの統合
パート別のシーケンス編集が完了したら、統合用のシーケンスを作成し、パート別シーケンスを再生順に並べていきます。
(1)統合用のシーケンスを作成
(2)各パートのシーケンスを(1)に配置
(3)切り替え箇所にトランジションを設定
下記画像が統合用シーケンス。起承転結、コメント返し(今回はED含む)、OP、インターバル(チャット)の各シーケンスを配置したもの。北海道編1本目ということで、OPを最後に回したり、順番が変わっています。
4.動画全体のチェック、ブラッシュアップ
各項目のチェック
(1)音声関連のチェック
・音声、BGM、SE、環境音のバランスが取れているか。
基本は以下のバランス。
ボイロ・ゆっくり音声>BGM・SE>環境音
・異音、耳障りな音が入っていないか。
(2)字幕のチェック
・誤字脱字、説明内容の誤りなどがないか。
・会話の内容がきちんと成り立っているか。
・表示場所、フォント、文字色、サイズが見やすいものになっているか。
(3)動画、画像のブレ等のチェック
・激しいブレ、乱れのある動画や画像が使われていないか。
・人の顔などにモザイクがきちんとかかっているか。
・表示位置がずれたりしていないか。
ブラッシュアップ
(1)ボイスロイド音声の本調声
・仮調声時に、不満があったものの再調声をする
(2)演出の追加
・立ち絵、テキストのアニメーション
配置済みの立ち絵、テキストにAfter effects等でアニメーションを付ける。
・SEの追加
キャラの動きやセリフに合わせて、SEを付ける。
・解説の追加
現在地、商品などの説明文追加する。
今までのシリーズとの変更点
全体的なテンポアップ
1本の動画に2、3日分のコンテンツを詰めこみます。それに合わせて、シーンの展開、ボイスロイドの会話速度など、動画全体のテンポが速くなりました。ボイスロイド結月ゆかりの場合、今まで話速が1.15くらいだったのを1.25程度。softalk(ゆっくり)も今まで速度を最高135くらいだったのを、セリフによっては~150くらいまで引き上げてます。
シーンの展開速度
例えば、フェリーのシーン。今までだとフェリーの中だけで、動画1本にしていたケースもあります。今回はかなり端折ってます。食事のシーンも、必要だと思う所以外は、いわゆる「ました工法」で、終わらせる。動画編集者としては、素材のほとんどを使わないので、もったいないと思います。でも、そのおかげで一番良いところを、ぎゅっと圧縮して動画に盛り込めた、と思います。
インターバル(幕間)の設定
北海道編の動画内に、3か所あるチャット画面。パートが切り替わる時に、挟み込んでいます。目まぐるしくシーンが切り替わるので、視聴者を一休みさせる。また、3~4分ごとに1つ配置することで、またチャットのシーンがあるかな、と期待を持たせる。動画の視聴継続を促す。どの程度効果があるのかは、時間をおいて分析しないとわからないので、実験的な試みでもあります。
Premiere proとAfter effectsとの連携
premiere proとAfter effectsを連携させて同時に編集する機能。今までの動画も少しだけ使っていました。今回はより利用頻度が高くなってます。After effectsのコンポジションファイルをPremire proに直接読み込んで挿入できるので、After effects側で変更した内容が即座に、Premire proにも反映されます。
動画内のルート案内のアニメーション部分。日付のテキスト表示、エンディングの使用素材の紹介、次回予告タイトルの表示。前述している要素含め、使う箇所が増えてきました。
まとめ
北海道編の作業手順をまとめてみました。この記事投稿時点で、動画の再生数はニコニコ動画で3,500。Youtubeが1,000。初動としては、なかなか良い感じ。この反応を見る限り、この進め方が現状では最適解なのかもしれない。問題は、この手順でコンスタントに動画を投稿をできるかどうか。以前に自分で決めた動画の尺を大きく超えてしまうし。悩みどころです。
それから、自分としては、まったりした動画も作りたい。時間があれば、番外編としてシーン切り替えなしで、ずっと走り続ける動画。そういうものも投稿したいかな。